日本には昔から「よみ・かき・そろばん」という言葉があるとおり、言葉を習うことと計算を習うことの大事さは浸透しています。
では、なぜ大事なのでしょうか。少なくとも3つの理由が挙げられます。
算数・数学の必要性は、それが生まれた歴史から辿るといいと思います。
人類は何十万年も前から道具を使って狩りをして、少しずつ人口を増やしてきました。人が増えれば、必要な食べ物も増えます。より多くの食べ物を得るために新天地に移り、大陸を移動してきました。
しかし、1、2万年くらい前から南極大陸を除く全ての大陸に、人類が行きつくしました。
限られた土地の中で、増加し続ける人々にうまく衣食住が行き渡るためには、効率化が必要でした。
効率化をするためには、人々が協力する必要があります。協力し合うためには、自分の考えわかりやすく伝える必要があります。そこで言葉や文字が生まれました。
そして、言葉や文字でも曖昧な表現になることがあり、より具体的に意思を伝えるために発展したのが、数字だったと思われます。
数字をさらに効率的に利用するために、算数が生まれたと思われます。
数字や算数は、「確実的なことを伝える手段」でした。これが算数・数学が必要な第1の理由です。
例えば、長さを適切を伝えたり、物の大きさや量を適切に伝えたりすることが出来ました。長さや量がわかることで、人々に平等の住まいと食べ物を分け与えることが出来ます。
ピラミッドを建てていた紀元前何千年も前から、ピタゴラスの定理のような数学が使われていたいう記録があるそうです。
つまり、「建物や物などを作る時に失敗が少なくする」ために、算数・数学を使う必要があります。これが第2の理由です。
大体このくらいの大きさ、大体こういう形、という曖昧な感覚でピラミッドのような建造物を作れば、雨風によってすぐに壊されてしまう気がします。とても何千年も残りはしないでしょう。
算数や数学が使えるからこそ、私達の身を守る建物、生活を便利にする道路・橋を造れ、多くの道具を作ることを可能にしてきました。
それらは「科学」とまとめられますが、その根底には「算数・数学」が常に関わっています。
そして、近代・現代では、「予測する」ことにも使われています。これが第3の理由です。例えば、地球や惑星の軌道を計算によって、いつ・どこにあるかがわかります。
現代では、天気予報や株価・経済動向などの予測に使われます。宇宙の様子なども、コンピューターの計算によって予測することが出来ます。
これらはまだ使われて間もないのですが、やがて地震やハリケーンなどの大きな自然災害も、的確に予測できる日が来るかも知れません。
そのために人類はまだまだ数学を発展させています。
こうして考えますと、言葉や文字と同様に、数学は、人類の発展に大きく関わった道具だと言えます。
このような長い歴史に培われた英知を絶やさないために、人類は常に次の世代に数学を受け継がせています。
自分達が新しい世界を築くため、そして次の世代に受け継がせるために、数学を習っていると考えるのもおもしろいですね。